仁義なきシリーズ
監督 深作欣二
脚本 笠原和夫
→高田宏治
主演 菅原文太

シリーズ解説

戦後の混乱の中に生まれ、勢力を増してきた暴力組織内での、若者達の情熱と悲しみを描いた物語。 日本映画を代表する不朽の名作。 復員兵の広能は、広島県呉市の小さな組織、山守組の身内となる。 敵対する土居組組長を暗殺するが、自分の親分である山守組長から邪魔もの扱いされて自首せざるをえなくなる。 その後勢力を拡大していく山守組内部で、坂井ら主流派と有田ら反主流派の内部紛争が始まっていく。 やがて仮出所した広能は、山守組長から紛争に勝利した坂井の暗殺を促されるが。
『仁義なき戦い』に始まり、広島死闘編、代理戦争、頂上作戦、完結編と続く。広能昌三を日本最初の実録やくざ映画のシリーズ。登場人物のほとんどが悪人。

広能の敵となった男達

山守(金子信雄)

山守組組長→天政会初代会長。常に汚い手を使う男。広能(菅原文太)は幾度も利用されながら、山守の下についたり離れたりしていく。全シリーズに登場。

槙原政吉

山守組幹部→槙原組組長、天政会常任理事。山守の腰巾着として、山守同様汚い手を使いまくる。広能の兄貴分、若杉寛(梅宮辰夫)の潜伏先を警察にチンコロする。『広島死闘編』以外の全シリーズに登場。

坂井鉄也(松方弘樹)

山守組若頭。山守の下で力をつけ、自身で禁じておきながら回収したヒロポンを横流ししていた山守に激怒。半旗を翻し、ついには山守に利用される広能とも対立する。一作目に登場。

大友勝利(千葉真一)

大友組組長。無茶苦茶な男。大きなシノギを狙い、村岡組と対立。広能ろ懇意にしていた山中(北大路欣也)に狙われる。『広島死闘編』に登場。

武田明(小林旭)

村岡組幹部→山守組若頭→山守組組長→天政会会長。広能の手を借りて松永(成田三樹夫)とともに村岡組組長の跡目に山守を招く。山守を貶めようと持ちかけた広能を裏切り、広能と対立。『代理戦争』以後、広能の大きな敵として描かれる。

見せ場

二度目の服役を終えた広能は、山守に坂井を殺るように命じられる。坂井と鉢合わせた広能がその事を告げると、坂井は取り乱し命乞いをする。広能は仲の良かった自分すら信じられなくなっていることを哀れみ、山守との和解を勧める。しかし、坂井は山守宅を襲撃。裏切られた気持ちで坂井を狙った広能だが、事前に察知され捕らえられる。「こんな(こいつ)を殺す気にはなれんわい…」と広能を逃がした坂井。その帰り道、おもちゃ屋で子供へのプレゼントを選ぶ坂井は、何者かの手によって殺されてしまう。

数々の裏切り、争いを繰り返して生き残った武田と広能。刑務所で広能に再会した武田は、やくざという社会に生きることのむなしさを感じながら語りかける。「出所したら酒でも飲もう」広能は答える「お前とは飲まん。死んでいったモンに悪い。」

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